大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

施行された「改正雇用保険法」のポイント!

ついに改正法が成立!

改正雇用保険法が成立し、3月31日から施行されています。成立から施行までの期間が非常に短く、しかも年度末からの施行ということで、雇用情勢の厳しい現実が伺えます。果たして失業者を救う改正となるでしょうか。

今回の改正点を大きく分類すると、以下の7点が挙げられます。

(1)雇用保険の適用範囲の拡大

(2)雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充

(3)再就職が困難な方に対する給付日数の延長

(4)再就職手当の給付率引上げおよび支給要件の緩和

(5)常用就職支度手当の給付率引上げおよび支給対象者の拡大

(6)育児休業給付の統合と給付率引上げ措置の延長

(7)雇用保険料率の引下げ

 

改正の具体的内容

(1)短時間労働者や派遣労働者の雇用保険の適用基準について、従来は「週所定労働時間が20時間以上あり、1年以上引き続き雇用されることが見込まれること」が条件でしたが、1年以上の雇用の見込み期間が「6カ月以上」と短縮されました。

(2)特定受給資格者に該当しない方でも、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職された方(特定理由離職者)については、基本手当の受給要件が「離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上」必要なところ、「離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上」あれば要件を満たすようになりました。基本手当の給付日数も解雇等による離職者並みに手厚くなりました。

(3)解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏まえ、特に再就職が困難な場合に給付日数が60日分延長されることになりました。

(4)再就職手当の支給要件が、従来の「所定給付日数を3分の1 以上かつ45日以上残している場合」から「所定給付日数を3分の1以上残している場合」に緩和されました。さらに、再就職手当の給付率についても、現行の30%から40%(支給残日数が3分の2 以上ある場合は50%)に引き上げられました。

(5)障害者等の就職困難者が所定給付日数を残して安定した職業に就いた場合に支給される常用就職支度手当の給付率が、従来の30%から40%に引き上げられました。

(6)これまで、「育児休業基本給付金(30%)」と「育児休業者職場復帰給付金(20%)」と分けて支給されていた育児休業に関する給付が、平成22年4月からは、統合され、休業中に「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」が支給されることになります。

(7)失業給付に係る分の雇用保険料率が各業態とも0.4%(労使とも0.2%ずつ)引き下げられ、この結果、別途の事業主負担分0.3%を合わせた雇用保険料率は、一般の事業で1.1%(農林水産・清酒製造業1.3%、建設業1.4%)となりました。

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