大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

30歳代後半フリーター支援

◆30歳代後半のフリーター支援策が本格運用

厚生労働省が検討していた30歳代後半のフリーター支援策が12月から動き出します。

試験雇用していた企業に補助金を支給するほか、企業が試験雇用後に正社員として雇えば奨励金を支給します。これまで30歳代前半までの支援策はありましたが、新たな試みである30歳代後半のフリーター支援が注目されています。

 

◆試験雇用に補助金を支給

厚生労働省は、2008年11月19日に開いた労働政策審議会の職業安定分科会に施策の概要を報告しました。具体的には、30歳代後半のフリーターを試験的に雇用した場合に企業に対して月額4万円を3カ月間支給します。その後、雇い入れた30歳代後半のフリーターを正社員にすれば大企業向けに30万円を、早期離職者が多い中小企業向けには15万円上乗せし45万円を奨励金として支給します。これらの支援策に伴い、全国のハローワークでは、30歳代後半フリーターの就職支援を狙い、ハローワークの相談員を約70人増加する動きもとられています。

総務省の労働力調査によると、2005年以降の35歳〜44歳のフリーターが増加の傾向にあると報告されています。その増加傾向の理由として、1993年から2004年にかけての就職氷河期と呼ばれる時期に就職できず、フリーターの道を選んだ者が多かったためだと言われています。そして今、その世代が30歳代後半を迎え、フリーターが高齢化しているという問題が起こっています。これらの高齢化に対応するために、今回の30歳代後半のフリーター支援策が打ち出されました。

 

◆厳しさ続く雇用状況

経験を積まずに長い間フリーターを続けていると、書類段階で見限られ、採用面接までたどりつけない事例も多く年長フリーターの就職活動の厳しさを指摘する声もあります。そのうえ、昨今の景気悪化により、非正規社員である派遣社員や契約社員の早期での雇用打ち止めや雇用契約解消、新卒内定者の取り消し、さらには大企業でのリストラの動きも始まっています。それらの雇用状況の悪化の動きを見ていると、今回12月から動き出す30歳代後半のフリーター対策支援策にもかかわらず、30歳代フリーターらの正規社員への道は、さらに険しくなる恐れがあるかもしれません。景気悪化で雇用状況が思わしくない今、政府の効果的な雇用政策への取組みが、早急に求められるでしょう。

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