大阪の社会保険労務士、村田社会保険労務士事務所による労務管理情報

人材が不足する介護労働者の確保対策

介護労働者の離職率は21.6%

「2007年度介護労働実態調査結果」(財団法人介護労働安定センター発表,4,783事業所と事業所で働く1万3,089人の介護労働者が回答)によると、2007年度における介護労働者の離職率は「21.6%」となったそうです。また、平均勤続年数は「3.1年」となっています。働くうえでの不満に関する質問に対しては、「仕事内容の割に賃金が低い」「業務に対する社会的評価が低い」「精神的にきつい」という回答が上位を占めました。

厚生労働省は、これらの理由などから慢性的に人手不足となっている介護分野における人材を安定的に確保するため、様々な対策を検討しています。

 

厚生労働省による介護労働者の確保・定着策

厚生労働省は7月下旬に、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」の中間とりまとめを発表しました。介護サービスへのニーズが増大する一方で、介護労働者の確保・定着が困難な現状を指摘しています。

「介護労働者が意欲と誇りを持って働くことができる社会の実現」を目指して、事業主に対して介護労働者の雇用管理の重要性を訴えるとともに、処遇改善や能力開発、多様な就業形態やメンタルヘルス対策など、働きやすい労働環境の整備が求められるとしています。

 

介護職専門のハローワークを設置の方針

同省では、2009年度から介護職専門のハローワークを設置する方針を示しています。人手不足が特に深刻な状況となっている大都市圏に数カ所程度設置して、介護分野への就労を希望する人に対する職業相談を行うなど、現役の介護福祉士やホームヘルパーのスタッフによる支援を実施するとしています。

 

「介護の日」の制定を検討

介護に対する国民の理解と認識を深めて、介護労働者や介護サービスの利用者、その家族などを支援するため、「介護の日」の制定も同省では検討しているそうです。同省の検討会で決定した複数の候補日・名称に対する国民からのパブリックコメントを踏まえたうえで、検討を進めていくとしています。

上記のような対策が果たして介護労働者の人手不足解消につながるのか、注目していきたいところです。

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